Q・・・どこで新型出生前診断を受けるのか?

A・・・この質問に対する答えは、もちろん日本産婦人科学会が指定する施設がベストです。


しかし、新型出生前診断は一般診療に拡大することになりました。


つまり、産婦人科やレディースクリニックでも実施しているなら受けることが可能です。


この現状から、生まれる問題は、

「遺伝カウンセリング」がきちんと出来るか?より、


「産むか中絶するかの選択を、夫婦の意思で行えるか?」が大事です。


例えば、膝痛の場合、整形外科に行けば「絶対安静」を勧める医師もいれば、「リハビリ」を勧める医師もいます。


各医師の考えに基づいた指導や処方がなされているわけですが、新型出生前診断にしても、陽性が出たら「中絶したほうがいい」という人と、「産んだ方がいい」という医師が出てくる。


これが、一番厄介なわけです。


一時期、新型出生前診断を実施していた無認定施設で、検査の結果を郵送で送るだけでその後のフォローがないから、夫婦や家族が路頭に迷うケースがある。


と新聞で掲載されています。


しかし、産むか中絶するかの決断は、検査を実施した側ではなく、受けた側がするものなので、介入しなくて当然だと思います。


例えば、夫婦は陽性でも産みたいと考えていて、クリニックでは中絶したほうがいいと助言されれば、それこそ夫婦は悩んでしまうのではないだろうか。


そもそも、検査を受けて産むか中絶するかを選ぶから問題だと思うのです。


検査を受ける前に、陽性だったら産むか中絶するかをあらかじめ夫婦で話し合っておくべきです。


それをせずに、受けてしまう。

または、新型出生前診断のことを知らず、検査が受けられる期限ギリギリで受検することが問題です。


命の選別が進んでいると言われていますが、新型出生前診断は、命の選別ではなく、命の尊重です。


命の選別は、男性と女性が新しい命を作ろうとした瞬間に、行われています。


そうした行為をすれば、新しい命ができることを知っているからです。


つまり、新型出生前診断は結果が陽性だった場合、陰性だった場合、どちらにしても結果を事前に知らない状態でいるのであれば、命の選別ではなくなるのです。


認定施設では、夫婦揃って遺伝カウンセリングを受けなければなりませんし、遺伝カウンセリングの予約も限られています。


この状態を回避するために、一般診療に拡大するわけですから、こうした現状から私たちは、どうやって新型出生前診断を受ければ良いのでしょうか?


それは、

①産むか中絶するかの決断に口を挟まない。

②高齢出産の場合、産婦人科などで新型出生前診断を勧めてくれる所に通院する。


この2つは外さないと考えています。


そもそも、新型出生前診断で選択に悩む多くの原因は、検査と人工妊娠中絶をする施設が異なる場合だと思います。


ですから、産婦人科の先生が新型出生前診断を受けることに寛容かどうかが重要なのです。


最近改めて感じるのは、医者選びに関わらず、なにかを選択する能力が私たちには不足していることです。


テクノロジーが進化し、努力をしなくても情報がデジタルデバイスに送られ、気になる情報だけ読むことで、趣味嗜好に合わせた情報しか私たちの手元には入ってこない。


こうした便利さが私たちの選択力を低下させている。


その影響を受けているのが、新型出生前診断といっても過言ではないと思う。


だから、産むか中絶するかを選択するように迫られるわけです。


話がずれてしまいましたが、新型出生前診断を受ける場合は、次の点に注意してくださいね。


・陽性の場合、産むか中絶するかどちらかの選択を勧める施設には行かない。(事前に聞いておくことと、結果が出た後は夫婦2人のみで話し合うこと)


・遺伝カウンセリングで得た情報、その他関連情報を結果が出る前に収集し、夫婦で話し合いをしておく。


・かかっている産婦人科の先生が、新型出生前診断に対する理解があるかどうか。

(高齢出産なのに、新型出生前診断について説明しないクリニックや病院は注意!)