広島、山口、岡山、島根、鳥取の出生前診断
中国地方では、県に1つまたは2つほど、新型出生前診断(NIPT)の認定された施設があります。
正直なところ、中国地方の公共交通機関は発達していないエリアも少なくありません。
すると、施設までは車で移動することになります。
施設の近くに自宅または勤務先がある場合は、良いのですが
年間12万人新しい命が誕生していると考えると、
供給量が少ないように思えます。
供給量が少ないということは、こうした検査が受けにくい状態にあることが言えます。
つまり、距離的な問題、時間的な問題によって本来受けられるべき検査を受けられない現状があるということです。
距離的、時間的問題というのは医療における地域格差が広がっていることが言えます。
ですから、おのずと医療機関が無いエリアに、わざわざ住もうと思う働き世代や夫婦は居ないということです。
こうした背景もあってNIPTは、無認定施設でも実施されるようになりました。
新聞の記事にもあるように、無認定施設によるトラブル、問題もあるようです。
無認定ということで、その施設独自のやり方でNIPTを提供しているということです。
ただ、こうした検査を支えるルールというのは、まだ不安定な状態でもありますし、
認定されるために様々な壁があります。
NIPTでは、遺伝カウンセリングというものを必ず夫婦揃って受けなければなりません。
この時代は、グローバル化の影響もあって、ご主人が海外赴任されている方もいますし、同じ住所に住んでいないこともあります。
こうした中で、授かった命の情報を知りたいと思った時に、認定施設では受けられないということになるわけです。
また、妊娠の中にも望まなかった妊娠もあります。
未成年であったり、学生であったりするわけです。
そうした方たちは、戸籍上では夫婦ではないので、検査を受けることができない。
つまり、認定施設というのは、本来誰でも希望すれば受けられる検査を、一定の人たちにしか適応させないようにしている見方もできます。
中には、籍を入れない状態である事実婚というのもあります。
そういう方たちは、本当にNIPTを受ける権利が無くなるわけです。
その穴を埋めるために、無認定施設が存在しているわけです。
ですから、頭ごなしに無認定施設だからダメというのではなく、
NIPTにおける遺伝カウンセリングの知識をそうした検査を進める施設に、マニュアルとして購入してもらい、そして検査を推し進めてもらう必要があります。
とは言っても、NIPT自体、妊婦さんの血液を10cc採取して、
アメリカ、イギリス、スペインにその血液を送り、検査をしてもらいその結果が送られてきます。
この中で、実際に検査をしているのは海外であるために、無認定施設はあくまで仲介者という立場になるため、
無認定だとしても、違法性はないとも考えられます。
要は、認定しているかどうかというよりかは、NIPTを受けるにあたって、妊婦さんが知っておかなければならない情報や、陽性が出た場合のその後の羊水検査、または中絶するかどうかの判断について知っておくことが最重要です。
今の時代、さまざまな情報を知りたいと思えば、集めることができるので、わざわざ時間と労力をかけて遺伝カウンセリングを受けることは苦痛だと思うでしょう。
お腹の子どものためと思っても、夫婦揃ってという条件と、認定施設の中には予約日があらかじめ限定されていて、通常仕事が休みの日である土日にやっていないということもあります。
認定施設は、無認定施設を否定する前に土日祝日にも、そして朝から夜まで遺伝カウンセリングを受ける状態を作ってから、無認定施設の是非を問わなければ、この検査は普及しないように思えます。
新型出生前診断を受ける妊婦さん、ご夫婦のために書いていますが、新型出生前診断そのものでは内容に思うかもしれません。
しかしながら、こうした検査の背景を知ることで、
検査を受けるために必要な知識や情報を集めるということを怠ったゆえに、陽性であると分かって安易に中絶をするということを防ぐことができます。
もちろん、無認定施設で受けるより認定施設で受けた方が良いです。
というよりかは、そうしていただくべきだと思っています。
ただ、認定施設でNIPTを受けて陽性だった場合、中絶するのが96%です。
無認定施設は、そうしたデータがないので一概には言えませんが、認定施設とほぼ同じでしょう。
とすると、認定施設で受けても無認定施設で受けても中絶するという行為は変わらないと思うのです。
日本は、染色体異常を持った子どもが一生涯生活出来るような仕組みがありません。
むしろ、認定施設はこうした仕組みをいち早く作るための行動を取ってもらうことで、認定施設で受けなければ、そうした国の支援を受けられないようにすれば、中絶するという問題を是正することができると思います。
こうした社会的な背景によって、妊婦さんが受けられる検査、自由に受けるけんりというものが、脅かされています。
今の状態で、認定施設で受けてくださいと言えることはできません。
しかし、認定施設で受けることを前提に考えて、どうしても無理な場合は、無認定施設でも良いのかもしれません。
そのかわり、遺伝カウンセリングを受けたのと同等の知識を知っておかなければなりませんし、
検査結果をどう今後に活かすのかについて夫婦でしっかり話し合うことで、解決してくると思います。
検査を受けるメリットが先走り、そのデメリットというのは打ち消されてしまうことは、よくあります。
ですから、まずはあなたにとってその検査のデメリットから考えることです。
そして、その後にメリットを考える。
そして、デメリットとメリットを比較したください。
比較した結果、メリットが勝れば検査を受ければ良いですし、デメリットが勝てば、検査を見送れば良いと思うのです。
こうした選択の考え方、幅というものを持つことで、誤った選択を未然に防ぐことができるのです。
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新型出生前診断を希望する妊婦さん、夫婦の悩みの1つに、「予約がなかなか取れない。」ことが挙げられます。
新型出生前診断を受けたいというニーズと、それに応える施設数がまだまだ少ないことが現状です。
妊娠が分かった時点で受けるかどうか決めなければ、検査の予約がなかなか取れませんが、東京エバーグリーンクリニックではお近くの提携クリニックで受検できるので他の医療機関よりも受けやすい環境にあると言えます。
※H30.9より全国9カ所に増えるようです。
私の考えが反映された新型出生前診断を提供してくれるクリニックの1つですので、ご紹介しておきます。
東京エバーグリーンクリニック
TEL: 03-6281-9527 (専用回線)
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