新型出生前診断を受ける権利


私たちには、権利がある。


国をはじめとして、さまざまな組織が情報を開示して、国民の知る権利を維持している。


この新型出生前診断は、


「お腹の子どもの情報を自由に知る権利」

だと考えることができます。


それが、古い倫理観というものによって、権利を侵害するようなことが現在起こっています。


この検査が、中絶を促し、命の選別をしていると。


そもそも、新型出生前診断は中絶を促す検査ではない。


そして、中絶を選択した夫婦も、促されたわけではない。


検査の結果、陽性の場合、羊水検査を行い、そして産むか産まないかの選択をするのです。


以前までは、新型出生前診断という妊婦さんの血液を10cc採取するだけでお腹の子どもの染色体異常が分かるとリスクの少ない検査がなかった。


それ故に、羊水検査から行い、若干ながら流産のリスクを伴っていた。


そもそも、羊水検査というリスクを負う検査をする前に、リスクなくお腹の子どもの情報を知るためにできた新型出生前診断が、どういうことか中絶を促す検査として、間違った考え方を植え付けられてしまった。


そして、今に至っているわけですが、まだ一般診療として始まりつつある今、受けたいと思う夫婦のニーズと、中絶を促す検査という間違った考え方のせいで、夫婦が検査を正しく受けることが出来なくなってしまったのです。


そもそもは、いきなり羊水検査はリスクがあるから、まずは新型出生前診断で染色体異常があるか確認しようという意図で出来ました。


検査によって、流産をさせてしまっては元も子もないからです。


現に、新型出生前診断はスクリーニング的な検査と言われ、陽性の場合、即中絶ではなく、次の羊水検査に進むためのものです。


ですから、中絶を促しているのは、羊水検査であって、新型出生前診断ではないのです。


高齢出産では、子どもに障がいがでるリスクが高いですから、妊婦さんは私たちが思う以上に毎日不安な生活を過ごしているのです。


超音波を当てて、あまり動いていないと知れば、何か問題があるのか?


気になるのは当然のことです。


そこで、新型出生前診断を受けようと考えている夫婦に、中絶を促す検査だと言って、夫婦に寄り添っていない考え方を押し付けて良いのでしょうか?


もし、検査を受けなかったら産まれるまでの間夫婦は、共に不安を感じ、あの時検査を受けておけば良かったと後悔するのです。


それが一番悲しいことです。


後悔することが、夫婦の精神的ダメージになるだけでなく、お腹の子どもの発育にも影響するわけです。


今、日本は少子化です。


1人でも多くの子どもを産むことが大事だという日本政府や経済界。


こうした社会的圧力によって、夫婦は自由な選択をすることができません。


新型出生前診断を受けて陰性だった人の話はよく聞くが、陽性で中絶した方の話などは少ないのが現状です。


後ろめたさを感じてしまっているのです。


でも、少子化だからといって、夫婦の自由な選択を否定する権利は、誰も持ち合わせていないのです。


なかには、新型出生前診断は「障がい者差別だ」と抗議する団体もいるくらいです。


結局、みんな自己中心的で自己満足が好きなのです。


自分が、自分がって。


そうやって、社会を捻じ曲げていく。


その影響を、高齢出産を迎え、不安を抱える夫婦に悪影響を及ぼしているとすれば、


それこそ、高齢出産を迎える夫婦差別になるわけです。


ですから、新型出生前診断を受けたいと思う夫婦は、ぜひ受けて欲しい。


受けるか受けないかは、別としてです。


受けるかどうかの選択も自由ですし、産むか産まないかの選択も自由です。


ですから、お腹の子どもの情報を知って、漠然とした不安を抱えて妊娠生活を送ることだけは避けて欲しい。


障がいが有ろうと無かろうと、お腹の子どもの発育に大きく影響するからです。


それでは!