新型出生前診断について
あなたは、新型出生前診断(NIPT)をご存知ですか?
妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる検査で、今この検査がもっと拡大するかどうかの局面を迎えています。
日本では、少子高齢化に伴い、子どもは少なく、反対に高齢者が多い現状にあります。
また、女性の社会進出によって、以前より出産する年齢が高齢になっています。
高齢出産というと、35歳以上の女性からという見解があります。
なぜかというと、この35歳を境に、胎児に与える影響力が変わるからです。
どのくらいの確率で染色体の異常が発生してくるのでしょうか。
「35歳で妊娠したら読む本」という著書があり、その中で、
“35歳の場合、羊水検査で0.76%の人に陽性が出ています。
それがグッと増えてくるのが45歳。なんと8.33%にも上がります。”
と書かれています。
これは、1000人検査を受けたら76人の人に、陽性。
つまり、染色体異常が見られるということです。
45歳になれば、100人のうち約9人の胎児に染色体異常が見られます。
つまり、高齢出産に伴い、赤ちゃんというのは先天性の病気を持って産まれてくる可能性が高くなるということです。
日本では、年間12万人の赤ちゃんが誕生し、その10%は体外受精で生まれてきています。
不妊症という問題も取り上げられていますが、こうした検査がなかなか進まない現状があるようです。
ネット上では、新型出生前診断を実際に受けた妊婦さんや、受けようか迷っている妊婦さんなど多くの方が、関心を持っています。
イギリスやアメリカなどでは、妊娠をしたらこのNIPT検査を受けるというのは普通のことなのですが、日本では「倫理」という問題だけで、最新の医療や検査というものが、広く普及しないとされています。
このブログでは、そうした日本の医療の現状を踏まえたうえで、為になる情報を発信していきたいと考えています。
話を、NIPTに戻すと、
日本産科婦人科学会は、5年前から条件の厳しい臨床研究を行っており、最近一般診療に拡大することを決めました。
とは言っても、この検査というのは時間的にとても厳しいものがあります。
というのも、まず検査を受けるにあたって、夫婦揃って遺伝カウンセリング(約30分)受けなければなりません。
共働きが多くなった今の日本では、夫婦の時間を合わせ、なおかつ検査施設の予約との兼ね合いも図らなければならないというので、検査が普及しないとも考えています。
なぜこの遺伝カウンセリングが必要なのかというと、
単に検査を受けて、陽性が出たら即中絶という偏った検査結果の使い方をなくすことと、
検査で陽性が出た場合、今後どのようにしていけば良いのかについて、専門医から話を事前に書いておく必要があるためです。
こういった検査は、本来であれば認定施設で受けるものですが、認定を受けていない施設がNIPTを実施し、その検査結果を郵送で送り、終了といったケースも発生しています。
ですから、遺伝カウンセリングを受ける受けないは別にしても、
NIPTを受ける前の説明、受けた後どのようにしていくかの説明について、
やはり最低限の知識として知っておく必要がありますし、そうしたNIPTを受けた妊婦さん、ご夫婦の方の体験などもとても重要になると思います。
染色体異常にはどういったものがあるかについては、実際にNIPTを実施している施設の先生に伺う方が、正確だと思いますので、ここでは書きませんが、
それにしても、無認定施設を巡って、日本産科婦人科学会と無認定クリニックの間で問題が起きているようです。
無認定クリニックのホームページには、「年齢制限はない」「妊婦だけでも受診可能」「性別も判定できる」といった、日本産科婦人科学会の指針とは違う文言があるからです。
しかし、こうしたやり方というのは違法性は、ないと主張をしています。
そもそも、こうした問題が起こる原因は、そうした染色体異常を確認する検査が、アメリカやイギリス、スペインなどの企業が世界特許を取得しているため、検査のたびに検査手数料として払っているからです。
つまり、検査自体は海外で行なっているのだから、その検体を採取するクリニックというのは、あくまで検査をする目的ではなく、検体を送り、そしてその結果を患者さんに伝えるという、仲介者になるからです。
もちろん、認定施設でNIPTを受ける選択が正しいとは思いますが、
無認定施設でNIPTを受けるにしても、その受けた妊婦さんを否定することはできないのが実情です。
ですから、NIPT検査を受けたい妊婦さん、受けるかどうか悩んでいる妊婦さんは、自宅または勤務先の近くに認定施設がない場合、電話などで事前に問い合わせて情報を集めておくことが何より大切だと思います。
しかし、NIPT検査を受けて陽性が出た妊婦さん、ご夫婦の中絶の確率は96%といったものになっているのも現状です。
NIPT検査陽性イコール中絶という考えではないとは思いますが、
一番は、生まれてくる子どもの為に何が一番良い選択か?
それを夫婦揃って考えた結果であって、それを否定するものでもないですし、ましてやNIPT検査自体を否定することもおかしい。
本来であれば、染色体異常の子どもが生まれてきても、一生涯のサポートが受けられるような国の制度改革が必要なのだと思います。
それでは、また次回。
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新型出生前診断を希望する妊婦さん、夫婦の悩みの1つに、「予約がなかなか取れない。」ことが挙げられます。
新型出生前診断を受けたいというニーズと、それに応える施設数がまだまだ少ないことが現状です。
妊娠が分かった時点で受けるかどうか決めなければ、検査の予約がなかなか取れませんが、東京エバーグリーンクリニックではお近くの提携クリニックで受検できるので他の医療機関よりも受けやすい環境にあると言えます。
※H30.9より全国9カ所に増えるようです。
私の考えが反映された新型出生前診断を提供してくれるクリニックの1つですので、ご紹介しておきます。
東京エバーグリーンクリニック
TEL: 03-6281-9527 (専用回線)
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この本は、実際に、NIPTを受けた方の体験談など、受けるかどうかまだ迷っている方にオススメです。